鉄は女性に不足しやすいミネラル。
赤血球をつくり、酸素を全身に運ぶ役割があります。
鉄分が不足すると、鉄欠乏性貧血を起こし、めまいや立ちくらみ、動悸、集中力低下など体のさまざまな機能に支障をきたすように。
ここでは、管理栄養士がオススメする鉄分を多く含む食べ物や食事の取り方、鉄分補給方法をご紹介します。
ぜひ日頃の食生活の参考にして見てくださいね。
1日にどのくらい取ればいいの?
鉄は、成人の体内に3〜4mg含まれています。
鉄は体内で何度も再利用されるため、体外に排出される量はわずか1mg程度です。基本的には排泄で失われる1mgを補えば、欠乏症は起こりません。
しかし、女性は月経や妊娠、授乳により血液が失われるため鉄が不足しやすくなっています。
そのため、月経のある女性の場合の鉄の推奨量は
18〜29歳は10.5mg/日(男性7.0mg/日)、30〜49歳は11.0mg/日(男性7.5mg/日)と男性より多くの鉄が必要となっています。
上限量は、18〜49歳の女性は40mg/日、18〜49歳男性は50〜55mg/日ですが、通常の食事では摂りすぎることはありません。
ただし、サプリメントなどで過剰に摂り続けると、肝臓に障害を生じ、成人では鉄沈着症、小児では鉄中毒を起こすことがあるため注意しましょう。
鉄の多い食べもの
鉄分は、レバーや赤身の肉、貝類、小魚、大豆やほうれん草などに多く含まれています。
食品に含まれる鉄は吸収力の違いにより『ヘム鉄』と『非ヘム鉄』の2種類に分かれています。
ヘム鉄は非ヘム鉄の約5倍吸収力が高いです。
非ヘム鉄は、動物性タンパク質やビタミンCと一緒に摂ると吸収が良くなるので肉や魚、野菜などと合わせて食べましょう。
ヘム鉄の多い食品
赤身魚、レバー、魚、貝類に多く含まれています。
1食当たりの目安量
・豚レバー(50g)6.5mg
・鶏レバー(40g)3.6mg
※レバーにはレチノールが多く含まれているため妊娠中の過剰摂取には注意を。
・牛ヒレステーキ(120g)2.9mg
・真イワシ(2尾 50g)2.2mg
・あさり缶詰水煮(1/2缶 65g)19.3mg
・あさり(6個 50g)1.9mg
非ヘム鉄の多い食品
青菜、ひじき、大豆製品、豆類、卵や乳製品に多く含まれています。
1食当たりの目安量
・ひじき(乾・6g) 3.5mg
・生揚げ(1/2枚 100g)2.6mg
・小松菜(2株 80g)2.2mg
・菜の花(50g)1.9mg
・納豆(1パック 50g)1.7mg
外食が多いときのひと工夫
外食のときは良質なたんぱく質と鉄、ビタミンCが多く摂れる料理を選びましょう。
また、手軽に鉄を補給できる飲み物やおやつを持っておくといつでも摂れるのでおすすめです。
和食の場合
・ぶりの照り焼き定食
・カキフライ定食
・ヒレカツ定食
・サバの味噌煮定食
洋食
・チキンソテー定食
・アサリのボンゴレロッソとサラダ
中華
・レバニラ定食
・チンジャオロース定食
・天津飯とサラダ
コンビニ
・たまごサンド、サラダ、フルーツや飲むヨーグルト
・鮭おにぎり、ほうれん草のおひたしやひじきサラダ、飲むヨーグルト
おすすめの鉄分補給できる飲み物
コンビニなどにも売っている鉄分補給のできる飲み物
鉄分独特の味がなく美味しく飲めるのが◎
手軽に摂れる鉄分おやつ
鉄分の摂れるグミはバッグに入れていつでも食べることがポイント。
鉄の調理器具を使って鉄補給しよう
鉄製のフライパンや鍋で調理すると、料理に鉄が染み込み、鉄の補給になります。
鉄の調理器具はお手入れが必要になるため、初心者にはハードル高め。
そこでオススメなのが、南部鉄器の鉄玉子。
鉄玉子はお湯を沸かす時やご飯を炊くときに鍋に入れて置くだけで鉄補給ができます。
鉄と一緒に摂るとNGのもの
赤ワインや緑茶に含まれるタンニンや、コーヒーに含まれるカフェインは、鉄の吸収を防いでしまうため一緒に摂ることは避けましょう。
まとめ
鉄はひとの体に必要な必須ミネラルです。
不足しないために毎日コツコツ摂ることが大切なので、鉄分の多い食品や手軽に摂れる方法を生活の中に取り入れてみましょう。
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